はじめに
いよいよ「2025年問題」が現実となります。「団塊の世代(ベビーブーム)」の人たちがすべて「後期高齢者」となりますので、日本の高齢者の比率がさらに上がります。かつてから言われているように、日本は「超高齢化社会」に突入します。高齢者が多くなると特有の問題も頻発していきます。
ここでは「2025年問題」と「介護問題」について考えてみましょう。
2025年問題とは?
2025年問題とは、人口の非常に多い「団塊の世代」の人たち(1947~1949年)が「後期高齢者(75歳以上)」になり、さまざまな分野で生じる社会問題のことです。
団塊の世代の人数は約800万人です。日本における人口比率は約18%、約2割です。ですから、約5人に1人が団塊の世代ということになります。たった3年間の世代なのですが、人数が圧倒的に多いので社会に与える影響も非常に大きいのです。
団塊の世代とその上の世代を合わせると、日本の後期高齢者の割合は約30%にもなります。つまり、日本人の約3人に1人が後期高齢者ということです。これは相当に深刻な高齢化社会です。「超高齢化社会」は、労働者の減少・医療の逼迫・介護の崩壊を引き起こします。
すでに様々な場所で「人手不足」の影響が出始めていますね。例えば、レストランや居酒屋で「手が回らない」という理由で断られてしまいます。カスタマーサービスセンターでは「最小人数のオペレーターで対応」ということで、なかなか電話がつながりません。バスなど公共機関でも「運転手不足」のため路線が減っています。
誰もが日本の「超高齢化社会」の深刻さをジリジリと感じ始めているのではないでしょうか?
人材不足が深刻な業種は?
上の表からも分かりますが、全企業の約70%で「正社員が不足している」と回答しています。ほとんどの企業で労働者不足を感じています。7割もの企業がそう感じているというのは、相当に深刻な状況です。
人手不足が深刻な業種の上位5位は
1位:建設業
2位:情報通信業
3位:運輸業
4位:農・林・漁・鉱業
5位:サービス業
この結果をみると、パワーがあって体力仕事ができる労働者を必要とする業種において人手不足が深刻という現実が見えてきます。「少子高齢化=労働者減少」の影響が表れています。
人手不足の深刻な業種をもっと細かく見てみると
1位:道路旅客運送業
2位:宿泊業
3位:設備工事業
4位:総合工事業
5位:医療業
5位に「医療業」が上っています。今後ますます高齢者の医療の必要は上がっていきます。患者さんはあふれているのに、医師や看護師がいない。医療の逼迫がいよいよ現実味を帯びてきました。
逆に人手が余っている業種は?
1位:印刷業
2位:繊維工業
3位:ゴム製品製造業
デジタル化・ペーパーレス化の進歩により、印刷業界は人手を必要としなくなったようです。
今後の介護人材不足をどう乗りきるか?
介護施設で「利用者は多いのにスタッフが足りない」という状況が頻発しています。厚生労働省の報告では、介護(医療)人材が2040年時点で96万人も不足すると推測されています。96万人です!今から対策を取らなければ追いつきません。
介護スタッフの仕事は、体力勝負で夜勤もあるのに「低収入」と言われています。東京都では都内で働いている介護人材のために「居住支援手当」の支給を始めました。今後の介護人材を確保し定着させるためです。
今後は自宅で介護を受ける高齢者も増えるので、「訪問介護」の必要も増えていきます。現時点では、外国人介護スタッフは「介護福祉士」でないと訪問介護に行くことはできません。ですが今後は制度の調整がなされ、「介護福祉士」でなくても「特定技能・介護」の資格を持つ外国人スタッフが訪問介護に行けるようになるとのことです。(*初任者研修などの条件はあります)
これからは「特定技能・介護」の外国人スタッフの確保が重要な鍵となっていくでしょう。
おわりに
「特定技能・介護」の資格で働く外国人スタッフは、いまや介護施設での重要な存在となっています。超高齢化社会に突入する日本は、労働力を外国人に頼らなければならない時代となりました。「特定技能」の在留資格を持つ外国人は、問題なく仕事ができる人たちです。もし「特定技能・介護」外国人スタッフの採用をお考えでしたら、ぜひカレッジにご連絡ください。