はじめに
外食業界の人手不足はとくに深刻です。求人倍率は、全産業の平均と比べて2〜5倍近くにまで達しているんです!
このように、限界値に近づきつつある状況を改善するために、資格を持つ外国人を雇用する制度「特定技能 外食業」が始まりました。
ここでは、外国人がどのように「特定技能 外食業」の資格を取得できるのか簡潔にご説明します。
参照資料:農林水産省
特定技能「外食業」ではどんな仕事ができる?
特定技能「外食業」は、さまざまなレストラン、食堂、カフェなどで働くことができます。
ホールでの接客、メニューを聞く、料理を運ぶ、片付ける、料金の精算、厨房での調理といった、外食全般の仕事を行うことが可能です。デリバリーも可能です。(*デリバリーのみの店舗では不可)
お客さんと直接やりとりをすることが多いので、日本語の「会話力」が求められます。例えば、メニューを正確に聞きとり、それを正確にスタッフに伝えなければなりません。忙しい現場で臨機応変に対応しなければなりません。いろいろなお客さんに応対し、時にはクレーム対応もしなければなりません。
そのため、日本語検定(JLPT)でN4レベル(最低限の会話が可能)ではちょっと難しいかもしれません。多くの飲食店が募集しているのは、N2レベルの人(スムーズな会話ができる)というのが現状です。
特定技能「外食」の試験とは?
特定技能「外食」を取得するには、2つの試験に合格しなければなりません。
1:特定技能1号 外食業(学科・実技)
2:日本語基礎テスト(JFT-Basic)、または日本語能力試験(JLPT)
1:特定技能「外食業」
特定技能「外食業」の試験に関しては、下のこちらのサイトから必要な情報を得られますのでご覧ください。
試験会場は、日本国内と海外の両方です。
日本国内では、北海道から沖縄まで実施されています。海外は7カ国(カンボジア、フィリピン、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、スリランカ)で実施されています。
試験日は、年に3回行われています。日程は上記のサイトから確認してください。
ペーパーテスト(マークシート)方式で、テスト時間は80分間、試験科目は学科試験・実技試験の2分野です。試験の合格点は、100点満点の65%です。
学科試験
実技試験
学習のためのテキストは?
こちらのサイトから、学習用のテキストをダウンロードできます。
言語は、日本語・英語・ベトナム語・クメール語・ミャンマー語・タイ語・インドネシア語・ネパール語でダウンロードできます。学習内容は、接客全般・飲食物調理・衛生管理の3分野に分かれています。
試験の申し込み方
上記のサイトから、申し込みを行います。申し込む前に、マイぺージに「登録」しておきましょう。(登録後審査に5日ほどかかります)審査に通ったら、サイトにログインして申し込みの手続きを行います。
日本語テスト
1:日本語基礎テスト(JFT-Basic)
JFT-Basicの試験は、日本国内と海外の会場でほぼ毎日開催されています。
日本では、北海道から沖縄まで、ほとんどの都道府県で実施されています。海外では、カンボジア、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ、スリランカ、バングラデシュ、インド、ウズベキスタンで開催されています。
テストは、コンピューター・ベースト・テスティング(CBT: Computer Based Testing)方式で行われます。「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションに分かれています。テスト時間は60分です。
この試験に申し込む際は、プロメトリック社のサイトにアクセスして、IDを取得する必要があります。こちらをご覧ください。
特定技能「外食業」の合格点は、A2レベルです。
日本語の学習教材や、オンラインレッスン、ウェブサイトなどの総合情報はこちらからご覧ください。
2:日本語能力試験(JLPT)
こちらの試験も、日本と海外の両方で実施されています。
日本では、全国の主要都市で受験することができます。海外でも、多くの場所で開催されます。会場に関しては上記のサイトから確認してください。
試験実施日は、年に2回です。海外会場の場合は、年に1回しか行われないところもありますので、前もって日程を確認しておきましょう。
試験科目と試験時間は、レベルによって異なっています。
特定技能「外食業」の合格点は、N4です。
試験のための学習テキストは、レベル別に購入することができます。こちらのページをご覧ください。
おわりに
外国で働くには「チャレンジ精神」が必要です。日本で働きたいと思っている外国の若い人たちが大勢いますので、受け入れ体制を整えていきましょう。外国人雇用することで、外食業界の人手不足が解決することを願っています。