はじめに
日本で働く外国人スタッフが増えているうえに、多国籍化・多言語化しています。
外国人も当然、体調不良になります。軽い症状ならドラッグストアなどで薬を買って対処できますが、病院に行った方が良い場合はどうしたらよいのでしょう? ここでは、外国人対応の病院の探し方を中心に取り上げていきます。
参考資料:観光庁
病院でのコミュニケーションはどうか?
病院でのコミュニケーションはスムーズに行えているでしょうか? 下のグラフを見てください。
44.2%もの人が「日本語ができるので困らなかった」と回答しています。約4割の人が、自分で症状を説明できています。これはちょっと驚きです。
一方で、約6割(55.8%)の人たちは「日本語のできる人と一緒に行った」「通訳者を依頼した」「通訳ツールを利用した」「多言語対応病院に行った」と回答しています。
約半数の人たちが、病院でのコミュニケーションに問題を抱えているのが実情です。ですから、外国人スタッフが病院に行く必要がある時は、何らかのサポートをしてあげましょう。
外国人が病院で困ったこととは?
外国人が病院で困った場面は何でしょうか? 下のグラフを見てみて下さい。
「特に困ったことはない」という人が45.4%もいます。日本語が出来る人たちは、病院で困ることはなさそうです。
一方で、「症状を正確に伝えられなかった」「どこの病院に行けばよいか分からなかった」と回答している人も多くいるのが現状です。
「症状を正確に伝えられなかった」、これは日本語力の問題でしょう。例えば「おなかがいたい」「とてもいたい」とは言えても、どのような痛みか感覚的なことを言うのは難しいかもしれません。また既往歴について聞かれたら、複雑なことを説明するのはとても難しいでしょう。
「どこの病院に行けばよいか分からなかった」、これは外国人対応している病院リストを知らなかったのかもしれません。そうであれば、この点は改善できそうです。
外国人受け入れ可能な病院リスト
観光庁のサイトで、外国人対応している医療機関のリストをダウンロードできます。都道府県別にシートが分かれています。
JNTO(日本政府観光局)のサイトでも、外国人対応している病院のリストが検索できます。日本語・英語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・韓国語で見ることができます。PDFでダウンロードすることもできます。
このサイトを開くと、「地域・言語・医療科目・クレジットカード・医療機関のカテゴリー・JMIP認証・救急対応」の項目が選べます。
診療科および言語の欄では、どの診療科がどの言語に対応しているか記載されています。↓
言語コードは以下の通りです。↓
JMIPとは?
一般財団法人 日本医療教育財団(Japan Medical Service Accreditation for International Patients)のことです。この団体により、外国人患者受け入れ医療機関認定制度が実施されています。この制度は厚生労働省により決められています。この認定を受けている病院は、外国人対応の体制が整っている病院です。
外国人向けガイドブックも活用しよう
外国人向けにガイドブックも準備されています。病院で診察を受けるまでの流れが、分かりやすく説明されています。日本語・英語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・韓国語に対応しています。
QRコードをスマホで読み取れば、すぐに病院の検索画面に移行できます。↓
「指差しシート」もあります。これは簡単に使えますね。例えば「頭が痛い」だけでなく、程度が「我慢できる」のか「かなり辛い」のかも伝えられます。しかし、これは簡易的なツールです。
病状によっては、もっと詳しく説明しなければなりません。そのような場合は、通訳を依頼するか外国人対応の病院に行くことが必要です。検索サイトを活用して、外国人スタッフの「母国語」で対応できる病院に行くようにしてください。
まとめ
日本の医療体制は、外国人対応が進みつつあります。多言語対応している病院はどんどん増えています。外国人スタッフが病院に行く必要があるときは、すぐ対応してあげられるようにしておきましょう。